きみのほしいものは

ある日、かみいるがぼくに尋ねたんだ。
「 きみのほしいものはなんだい? 」
って。

そんなの決まっているよ。

お金だよ。

「 どうしてお金がほしいの? 」

そんなの決まっているよ。

お金があればほしいものが買える、お金がないと生きていけない。

「 きみがほしいものはお金で全て買えるの? 」

そんなの決まっているよ。

・・・あれ?
おかしいな、本当にほしいものでお金で買えないものがあるよ。

「 きみがただ1つもらえるとしたらそれ以外を全て失うとしたらお金を選ぶの? 」

そんなの・・・
そんなの・・・
わからないよ。
お金は生きていくのに必要なんだから。

「 生きていくのにお金はどのくらい必要なの? 」

暮らしの基盤となる住居、生命を維持する食事、その日常を支える最低限の物。

「 きみがほしいものはそれだけのお金なの? 」

そんなことはないよ。
お金はもっとほしい、あればあるほど良いんだ。
お金があればあるほど幸せになれるんだから。

「 生きていくのに最低限必要なお金をもらってからね、他にただ1つもらえるとしたらそれ以外を全て失うとしたらお金を選ぶの? 」

そんなの決まっているよ。

・・・あれ?
おかしいな、ぼくがほしいものはお金で買えないよ。
ぼくがほしいものは安らぎ。
安心感に包まれてうっとりゆったり漂っていたいよ。

「 生きていくのに最低限必要なお金すらいらなかったらね、それでもお金がほしいの? 」

ううん。
いらない。
お金なんかいらない。
ほくがほしいものはお金なんかじゃない。

かみいるはあはははと笑った。
いたずらっぽく笑った。
そして言ったんだ。
「 きみが本当にほしいものはお金なんかじゃないし、本当にほしいものはお金なんかじゃ買えないんだよ。お金は持てば持つほど恐怖や不安が増すんだよ、安らぎから遠ざかっていくんだよ。本当にほしいものはお金なんかじゃ買えないんだよ。お金はお金だよ。それ以上でもそれ以下でもないただの道具なんだよ。お金で買えるものは道具以下でしかないんだよ。お金は物々交換の道具として存在しているけれど、zerosumgameと言って決して増えることはないんだよ、どこかの誰かが不要に持てばどこかの誰かの必要な分のお金が奪われることになるんだよ。お金を不要に持つことは間接的な殺人とも言えるからやらない方が良いんだよ。実際はね、お金は数値化されて実態よりも膨大に虚無に存在しているから命を奪われない人もいるんだけどね。 」
って。

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